住居確保給付金・その2
住居確保給付金ってこんな感じです。の、まとめです。
「その2」とは言え、必要書類の確認等以外は前の記事を読む必要はありません。(まとめてお伝えします。)
なお、2020年5月19日現在の情報です。
お住まいの地域毎に基準金額等に差異がありますし、以後、改編される可能性もあります。
実際の申請にあたっては、お住まいの自治体等で金額等詳細を改めてご確認ください。
厚生労働省
住居確保給付金のご案内
令和2年度自立相談支援機関窓口情報(4月1日現在、申請窓口一覧)
主に、不動産仲介事業者への案内
【5.8更新】家賃支払いの公的支援制度「住居確保給付金」をご案内ください
一般財団法人ハトマーク支援機構
コロナの社会情勢の変化後、筆者はこの「住居確保給付金」申請時において、支給してもらえるのか?もらえないのか?それすら全く分かりませんでした。
ですので、ある程度の金額を支給してもらえるなら申請してみようとか、そもそも申請をしても支給されない可能性が高く申請出来ないか?など、その判断すらつきませんでした。
そこで、以下は、筆者が知りたかったことの順番でお伝えします。
この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。
住居確保給付金は、一体どのくらい支給されるのか?
住居確保給付金の支給金額は、「生活保護の住宅扶助の額」と定められれています。
つまり、生活保護の住宅扶助給付のルールに基づいて、支給金額が決まるということです。
よって、住宅扶助費の計算方法が分からないと、一体いくら支給される(可能性がある)のかも分からないということになります。
各自治体に問い合わせせば、そんなことすら考えずにも、支給上限額を教えてもらるかも知れませんが、あくまでも「住宅扶助の額」で、自分で計算することも出来ます。
支給額計算式 (月額)
例) 東京都23区内 支払い家賃57,300円(管理費等別)以上の場合↓
単身世帯・月額収入80,000円の場合の簡易計算
[支給金額]57,300円 = [家賃額上限]57,300円 - 0円( 月額収入 80,000円 - 基準額 84,000円)
単身世帯・収入月額100,000円の場合
[支給金額]41,300円 = [家賃額上限]57,300円 - 16,000円( 月額収入 100,000円 - 基準額 84,000円)
単身世帯・収入月額140,000円の場合
収入基準(上限)額 = 基準額 + (家賃上限額)
137,700 円 = 84,000 円+(53,700円) < 140,000円にて、支給対象外。
※基準額および家賃上限額は、「(家賃支給上限の)特別基準額」となって加算されている場合や、お住いの地域毎に金額が違います。
※厚生労働省の事務連絡では、「床面積別の住宅扶助(家賃・間代等)の限度額については適用しない。」となっていますが・・・自治体によっては、床面積別に限度額等を設定しているところもありますので、注意してください。(後述あり)
普通に考えて、これだけ見て分かる人や計算できる人は少ないでしょう。
筆者も、上記の計算図式を作りながら、一つ一つ理解して行くしかありませんでした。
この制度には、居住地域毎に定められた、支給額(月額)の上限額があります。
(上限が無いと青天井となりますので、当たり前と言えば当たり前です。しかし…)
その上限額を知るには、
全国、都道府県、指定都市及び中核市ごとにに1級地・2級地・3級地と3つに区分されている級地区分を知る必要があります。
まず、この級地区分一覧で、お住まいの地域が1級地・2級地・3級地のどれに区分されるかを確認してください。
なお、この級地区分は、1級地-1,-2、2級地-1,-2、3級地-1,-2、と6区分されていますが、それは生活保護を受ける場合の区分で、住居確保給付金においては1級地・2級地・3級地の3区分となっています。
その上で、各地域、区分毎の住居確保給付金( = 住宅扶助費)の限度額が確認できます。
世帯人員別の住宅扶助(家賃・間代等)の限度額表 = 基準となる家賃支給上限額です。
※なお、埼玉県さいたま市のように、級地区分だと埼玉県1級地・単身(1人)世帯の場合 47,700円が、さいたま市で45,000円限度額と定めているところがありますので、注意してください。(限度額表の4ページ以降にも記載されています。)
[ 例:東京都 23区内(1級地)の場合の、家賃基準額(支給金額上限) / 月]
単身世帯 53,700円
2人世帯 64,000円
3~5人世帯 69,800円
6人世帯 75,000円
7人以上世帯 83,800円
東京都1級地の場合、これが基本の、支給される可能性のある、毎月の上限額です。
なお、上記以外で、基準額の範囲内おいて物件がない場合の「特別基準額」となっている自治体もあります。
(例)東京都千代田区の場合
単身世帯 69,800円
2人世帯 75,000円
3人世帯 81.000円
4人世帯 86,000円
などが、支給される可能性のある、月毎の上限額です。
筆者が調べた限りでは、東京都特別区内では、千代田区・中央区・港区が特別基準額となっています。
例:北海道~東北~関東~北陸の一部
これを見てもお分かりのように、特別加算を考慮に入れないとすると、全国で一番支給額が高いのは東京都1級地在住の7人以上世帯で83,800円/月です。
この金額が妥当なのか、少ないのかは横に置いておいて…
地域毎に差異があるので、これら表や、お住いの自治体HP等でご確認の上、まずは、お住まいの地域において上限でいくら支給される可能性があるのか?をご確認ください。
※厚生労働省の事務マニュアルでは、「床面積別の住宅扶助(家賃・間代等)の限度額については適用しない。」となっていますが・・・自治体によっては、床面積別に限度額等を設定しているところもありますので、注意してください。
2020年5月19日、厚生労働省 地域福祉課 に電話による確認をしました。
「住居確保給付金については、床面積別の限度額を適用しない。」とのことです。
その上で、
これらの金額が支給額の上限であるとして、とにかく申請したいという方は、以下にお進みください。
収入基準額があります。
「月の収入と預貯金の額は、各自治体の住民税が非課税となる収入を根拠の数字としています。」
「住民税均等割が非課税となる年間収入額の12分の1」+「上限ありの家賃額」
(と言われていますが・・・これも分かり難いです。)
まずは、収入基準額(上限)を超えていないかを確認してください。
この場合の収入基準額とは、1世帯における合算収入(合計)金額です。
その上で、支給を受ける為には、各世帯の収入上限金額が決まっているということです。
※ 収入基準(上限)金額を超える収入がある世帯は、この制度を利用することが出来ません。
その収入基準(上限)額も、各自治体で決まっています。
収入基準(上限)額 = 基準額 + (家賃上限額)
基準額とは = 住民税均等割が非課税となる年間収入額の12分の1
家賃上限額とは = (上記で確認した)支給上限額と同一です。実際の家賃額ではありません。
例:東京都23区内の場合 [千代田区・中央区・港区以外]
収入基準(上限)額 = 基準額 + (家賃上限額)
単身世帯
137,700 円 = 84,000 円+(53,700円)
2人 世帯
194,000 円 = 130,000 円+(64,000 円)
3人 世帯
241,800 円 = 172,000 円+(69,800 円)
・・・となります。
収入基準(上限)額 = 基準額 + (家賃上限額)
単身世帯
136,000 円 = 84,000 円+(52,000円)
2人 世帯
192,000 円 = 130,000 円+(62,000 円)
3人 世帯
240,000 円 = 172,000 円+(68,000 円)
・・・となります。
この計算を確認する時には、まずは家賃上限額と言っている金額を考慮しないで大丈夫です。単純に、収入基準(上限)額の金額を見てください。
ほとんどの自治体の家賃確保給付金に関するHPで金額が提示されています。
とにもかくにも、収入基準(上限)額以上の月額収入がある世帯の方は、この制度を使えないということです。
次に、実際の月額収入が、「基準額」以下だった場合、この制度における家賃上限額の全額が支給される可能性があります。
単身世帯 実際の収入
84,000 円/月(基準額)以下
(上記の例の場合)家賃支給上限額 53,700円、または52,000円/月など
2人 世帯
実際の合算収入130,000円/月(基準額)以下
(上記の例の場合)家賃支給上限額64,000円、または 62,000円/月など
3人 世帯
実際の合算収入 172,000 円/月(基準額)以下
(上記の例の場合)家賃支給上限額 69,800円、または68,000円/月など
この家賃支給上限額以上の家賃を払っていたとしても、このように家賃支給上限額が支給される可能性が高いということです。
その次に、実際の月額収入は、収入基準(上限)額より下回っているが、「基準額」よりは上回っている場合です。意外とこの計算が面倒です。
住居確保給付金支給額 = [A] (上限ありの)家賃額 - [B](世帯の実際の収入合計額 - 基準額)
何度も言いますが、ややこしいのは、
[A]も[B]も、基準額も各自治体において金額が違うということです。
例:さいたま県の2級地などで、単身世帯家賃上限額43,000円、基準額81,000円の場合の、計算例
例1)
単身世帯:実際の収入が 100,000 円 / 月、
家賃 50,000 円(管理費等別)の場合
収入基準(上限)額 124,000円 (基準額81,000 + 家賃上限額43,000) > 月額収入100,000円にて支給可。
43,000 円(家賃上限額)-19,000 円(100,000円-基準額81,000円)=24,000 円(月の支給額)
例2)
2人世帯:世帯収入合計が 175,000 円 / 月、
家賃 60,000 円(管理費等別)の場合
収入基準(上限)額 175,000円 (基準額123,000 + 家賃上限額52,000) = 月額収入175,000円にて支給可。
52,000 円(家賃上限額52,000円以下)-52,000 円(175,000円-基準額123,000円)= 0円支給対象外。
この住居確保給付金の元々の設計が生活保護の対象者向けの設計とはいえ、これでは、コロナで困った人の多くが使える(支給される)とは、どうも思えません。
例3)
3人世帯:収入200,000円 / 月、
家賃80,000円(管理費別)の場合
56,000円(家賃上限額)-39.000円 (200,000円-基準額157,000円)=13,000円(月の支給額)
仮に、この例3)で、コロナの影響によって収入がゼロになった月の計算を採用してもらえるとすると、
56,000 円(家賃上限額)-0 円 (収入0円-基準額157,000円)= 56,000 円(月の支給額)となります。
どうであれ、この制度は、月の実際の収入が基準額以下か、基準額を少し出た程度でないと使い難いように思えます。
ざっくりでもこれらの計算をした上で、金額の大小に関わらず支給される可能性があると判断なさった場合は、さらに以下後2点ご確認ください。
資産要件:預貯金合計額の上限基準
預貯金の世帯合計が、(各自治体が定める)基準額の6倍、または100万円まで。
さて、ここまで順調に来て、住居確保給付金が支給されそうだと思っても、書類を揃える前にもう一つ確認要件があります。
東京都1級地の場合
預貯金額が
単身世帯(基準額84,000円)の人で、50.4万円以下
2人世帯(基準額130,000円)の世帯で、78万円以下
3人世帯(基準額172,000円)の世帯で、100万円以下
であること。
※逆の言い方をすると、この金額以下であれば、預貯金があっても認められるということです。
基準額が下記の地域の計算例:
単身世帯 81,000円の場合は、48.6万円以下
2人世帯 123,000円の場合は、73.8万円以下
3人世帯 157,000円の場合は、94.2万円以下
4人世帯 194,000円の場合は、100万円以下となります。
・自治体によっては、「預貯金、現金の合計額」や、単に「金融資産」と表現されているところもあり、どこまで、何を持って証明するかなどの部分が統一されていないようです。
支給期間
最後に、支給されるまでの期間と、支給期間です。
例) 申請月→翌月に53,700円、翌々月に53,700円、翌々々月に53,700円など。
支給額を超えて家賃を支払っている場合は、当然その分を別に支払う必要があります。
例) 実際の家賃支払いが80,000円(管理費等込)で、支給額が53,700円だった場合
別に26,300円の支払い × 3ヵ月の支払い。
※振込元の名前は、〇〇区福祉総務課、会計管理課など、本人名義でない場合がほとんどのようです。この場合、自分で家賃支払い先に連絡をしておく必要があります。
(この場合、通常は翌月分の家賃支払いをする契約が多いので、3ヵ月先の家賃支払い分~の支給とということになる場合もあります。)
・自治体によっては、申請受理時に受付票を出してもらえるところもありますが、受付票も無く、審査結果の通知時期も曖昧なところもあります。
早め早めの申請をおすすめします。
必要書類等の確認
必ず各自治体のHP等でご確認してください。
筆者が調べたところによると、各自治体によって微妙な差異があります。
また、申請にあたっては、各自治体が用意している申請書類を使う必要があります。
※申請書類の多さに辟易するかも知れません。しかし、特に会計知識や専門知識は必要なく、実際のところは、それほど難しい書類はありません。
収入証明などは通帳のコピーだけで済む場合もありますし、申請者の状況や、自治体の受付方によっても求められるものがまちまちです。窓口または電話等で相談しながら申請された方がよいかと思います。
大まかなところは、当Blogの前回の記事でもご確認いただけますので、参考にして頂ければ幸いです。
特に、多くの方は、今回のコロナの件で収入が減り申請をするという方かと思います。そうであるにも関わらず、コロナが原因で収入が減っているという証明を求められるケースもあるようです。
どうしたらそれが証明できるのか?とは思いますが・・・給与の対比、過去との売上対比、取引先からの支払い遅延に関する書類など、何らかの書類が用意出来れば申請が受理されるはずですし、用意できなくとも相談には乗ってもらえるはずです。
また、多くの人が面倒だと思ってしまいがちな「入居住宅に関する状況通知書」は、賃貸借契約締結時の不動産仲介会社に協力してもらえることが多いようです。
もちろん貸主に署名してもらってもよいですし、その方が時間的に早いということもあります。
皆様の申請が受理され、支給されることを祈ります。
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